ハロプロのグループ構成は強みになりうる② | 外資系戦略コンサルタントの視点から見たアイドル・ビジネス

2011/11/20

ハロプロのグループ構成は強みになりうる②



さて、前回はSWOT分析において強みの把握について述べました。

今回はAKB48がなぜヒットしたのか、そして長い期間ヒットし続けると僕が考えるかについて

チーム/グループ構成から考えたいと思います。

前回の記事:ハロプロのグループ構成は強みになりうる①




前回の記事の最後に僕が述べたAKB48のヒットのメイン理由のサブ理由として

・AKB48のチーム構成がファンの取り込みと保持する仕組みとしてよく考えられている

と述べました。


まずは僕が把握しているAKB48について述べましょう。

AKB48は約60名で構成されています。

AKB48はチームA、K、B、4及び研究生からなるチーム構成がされており、

その他、芸能事務所ごとにNot yetなど派生グループも包含した形で

AKB48ブランドを構築しています。


総勢60名というとかなりの人数だと思いますが、

紅白などの特殊な場合を除いて全員が出場することは稀で、

音楽番組やバラエティー等では、そのコンセプトにマッチした形で

メンバーを入れ替えて出演させます。


特に、選抜メンバーに関してはアイドルの

・顔/スタイルの良さ

・ダンスパフォーマンスの良さ

・面白さ

・ファン対応の良さ

などアイドルが評価される要素を加味した上で、

AKSなどの運営側若しくはファンの総選挙のフィルタリングを受けて、

60名から10名~16名程度に絞ってテレビ出演をします。

簡単に言ってしまうと客寄せパンダを集めたグループ編成になっています。

そして高視聴率番組には選抜メンバーを中心としたAKB48として、

露出することになります。


しかも、マスメディアに頻繁に露出することによって、単純接触効果を利用して

一般人の感情を好意に向かわせます。

参考:単純接触効果(Wikipedia)


さて、次に一般人はある人物若しくはAKB48に興味をもつようになり、

・もっとみたい(欲求)
・大島優子がカワイイ(記憶)
・大島優子についてもっと知りたいからググる(検索)

など、徐々にライトファン化していきます。


この時、AKB48は週に一回程度しか露出できない高視聴率番組だけではなく、

・深夜TV/ラジオなどでAKB48が多く露出している番組

・Youtube動画/ニコニコ動画等での動画共有サイト

・メンバー本人/ファンのブログ

等が存在するため、ライトファンはこちらでコンテンツ消費を開始し始めることになります。


そこで、AKB48の運営会社はYoutube動画等だけではなく、

DMM.comにおける劇場配信、メンバー本人のブログなどのサービスを用意し、

ファンの動画アップロードには緩い対応する(規制はあまりしない)ことによって、

ライトファンの受け皿を準備しています。


そして、徐々にコアファンに移行させる流れを作っています。



ここから分かるように、AKB48はマスメディアの利用→インターネットの利用に


上手に対応したグループと言えます。


特にインターネットは、TV局の意図した一方通行の消費ではなく、

自身の興味のあるコンテンツ(例えば大島優子のライブシーンだけを集めた動画)

を消費することが出来るという点でライトファンの依存度は高まっていくことになります。


特に、大島優子のようにコアメンバーではなく、

もっとマイナーなメンバーを好きになった場合は、

インターネット消費の依存度が高まることになります。

以上の話を図示したのが下図です。

AKB48のグループ構成はファンの取り込みを工夫している






















そして、次に取り込んだライトファン及びコアファンをどのように維持するかについては、

図示したので見てください。



ライトファン/コアファンを維持する仕組み











上記のようにライトファンやコアファンが

AKB48のコンセプトや推しメンバーに飽きてきた場合、

コンセプト及び個性が多種多様なAKB48の派生グループやメンバーに対して

ファンはAKB48の内部で消費しようとします。


というのも、AKB48に過去に出費した費用を考えたり、

独特の文化(例えば独特の声援MIX、言葉、サービスのシステム)に

一回慣れてしまえば、他のアイドルへファン対象を移行しようとしても、

次のシステムに慣れるためにスイッチングコストが発生してしまい、躊躇します。


そのため、推しメンが仲良かったメンバーであったり、同じタイプのAKBメンバーに

"推し変"するという行為によってコンテンツを再び消費しようとするのです。


話は変わりますが、よく消費者が過去に出費した費用について考えることがありますが、

これはビジネスの世界でサンク・コスト(埋没コスト)と呼ばれ、

未来の意思決定に対しては何ら影響しないコストなのであまり悩む意味はありません。

参考:サンクコスト(Wikipedia)


さて、話を戻しましょう。

このようにAKB48は

・グループ構成がマスメディアの利用及びファンの移行段階とマッチしている。

・AKB48内での内部消費を促すことによってファンの維持をしている。

という点で、AKB48というアイドルグループがヒットし、維持する仕組みができている

ということになります。


さて、本日はここで一回切りたいと思いますが、

まぁ今回はAKB48のファンであったり、

アイドルの仕組みについてちょっと考えたことがある人にとっては当たり前田ですよねぇ。

すみません。。。。

さて、次はやっと本題のハロプロについて書きたいと思います。

明日公開します。
(次回も作文は完了しているので尻切れトンボじゃないですよ(笑))


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